『トーキョー・プリズン』

『ジョーカー・ゲーム』シリーズの雰囲気は残しつつ、『トーキョー・プリズン』は戦後の巣鴨プリズン内で起こった殺人事件を巡るミステリー作品です。最後まで読者を引き付ける力はありますが、主人公のフェアフィールドがとても中途半端な存在に感じました。クライマックスでは別人のように、見事な推理で事件を解決しますが、それまでは特異な能力を持った貴島の考えに誘導されてばかりのように映ります。消息を絶った知人の調査という流れも本流につながることはなく、この物語の中でどこまで必要だったのか疑問に思いました。

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