『羆嵐』

吉村昭の『羆嵐』、北海道の荒野における、クマと人との戦いを描いた名著です。大自然において人は明確な異物であり、無力でもあります。そういった環境の中で生存していくことの難しさをひしひしと感じさせます。描写の一つ一つがとても繊細であり、クマの襲来に怯える人の恐怖を表現した、ホラー作品としても一級品だと思いましたし、古典的なヒーローものでもあります。

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