『みみずくは黄昏に飛びたつ』

川上未映子による村上春樹のロングインタビュー、『みみずくは黄昏に飛びたつ』は物語を生み出す村上春樹の考え方や取り組み方が存分に伝わる作品です。「マジックタッチ」という言葉に代表されるように、そのアプローチはとても「感覚的」という印象を持ちました。インスピレーションに身を任せつつ、作家としての能力によってそのインスピレーションを広げ、物語を生み出していく過程がそこにはあります。洗練を期待した日本の将来に対する味方であったり、政治家を例に挙げたメッセージの受け止め方であったり、泥臭さを感じさせはしませんが、インテンシティを感じさせる、とても本質的な目を持っている再認識させられます。

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