『初陣-隠蔽捜査〈3.5〉』

今野敏の『初陣-隠蔽捜査<3.5>』、『隠蔽捜査』シリーズのスピンオフ作品であり、主要な登場人物の一人、伊丹俊太郎からの視点でストーリーを描いた短編集です。過去に読んだ作品と比べ、どこか力の抜けた感があり、気楽に楽しめます。十分に面白いですが、伊丹はとても「常識人」であり、「普通」でもあります。常識からは外れた考えを持ち、その中で苦しみながらも、原則に従って難局を突破する竜崎の存在を幕の後ろに配したことにより、作品の色が薄くなったのも事実です。

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