『隠蔽捜査』に続く二作目、『果断-隠蔽捜査<2>』も主人公である竜崎伸也の活躍から目が離せません。決断が難しい局面で采配を振り、その結果に対して、懲罰を受ける可能性に直面します。自らが信じる「正しいこと」を信じて突き通す竜崎、揺れ動きながらも、原則を大切とする姿勢に、感銘を受けます。穴がなく、完全無欠、一人で自立しているような印象を受けますが、妻が入院した際の狼狽ぶりに、人間味を感じさせます。家族や署員との関係性から、人間的な成長を果たす姿も印象に残り、共感を覚えます。特に妻である冴子が残した「国のために働きなさい」の一言は力強く、お互いの仕事に対する「誇り」を見ました。確固たる「芯」があるからこそ、周囲に対しても説得力があるのでしょう。ストーリー展開も文句なく面白く、読み進める手が止まりません。
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