笹本稜平の『還るべき場所』、非常に読み応えのある作品でした。ヒマラヤを舞台とした極限の状況、その中でそれぞれの登場人物たちが見せる、周囲、環境、自分自身との対話。それは「戦い」とも形容でき、その熱量は凄まじいです。正に「生き様を問う」作品という印象です。苦しみや影のある過去を背負いながらも、高峰を目指すかのように、前を向いて生きる姿に感銘を受けました。「砂漠のような人生に大輪の花を咲かせることのできる人間こそ一流だ」や「魂の糧」という言葉等、純粋に人生を生きる、その言葉の数々に心を揺さぶられます。
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