『職業としての小説家』

村上春樹の自伝的エッセイ、『職業としての小説家』テーマは多岐に渡りますが、内在する核はどれも一緒と感じます。基本的には自身の納得感や充実感がベースにあり、そこを軸にフィジカルに、メンタルに真摯に向き合われている方だなという印象を改めて、抱きました。マイペースなように映りますが、多くの批判に対して公に対応せずとも、エネルギーを使ってきたんだなと感じます。効率を優先しがちな日本社会、理を超えたところで意思決定がなされる点はとても共感します。目新しい話はありませんが、著者の話のペースに身を預けながら、ゆったりと気軽に読める一冊です。

コメント