『Gran Torino』

クリント・イーストウッドの魅力が存分に詰まった作品、『Gran Torino』。世界のどこにでもいるであろう、頑固で保守的、閉鎖的な父親。戦争を経験した過去や家族、特に息子たちへの今までの接し方に負い目を感じながらも、プライドが邪魔して素直になれないウォルト・コワルスキー。アメリカの片田舎へ大量移住してきたモン族との出会いによって、彼もより上手に自己表現をし、心を開いていくようになる。人間として「成熟」するとはどういうことか。人種の垣根を越えて、調和を生み出すとはどういうことか。終盤の後味の悪さは置いておいて、クリント・イーストウッドが人間とアメリカを描いた渾身の作品です。

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