門田隆将の『狼の牙を折れ:史上最大の爆破テロに挑んだ警視庁公安部』、三菱重工爆破事件から始まった、連続企業爆破事件における警察と東アジア反日武装戦線の手に汗握る攻防戦を読み解くことができるノンフィクション。膨大な情報の中から犯人グループに行き着き、そこから時間を掛けて逮捕まで追い込む様に鬼気迫るものを感じました。情報技術が発達していなかった時代ではありますが、正義、執念、プロフェッショナリズム等、人間のすごみを感じさせられました。テロリズムが頻発する世の中、日本はどこか別世界のように感じている人も多い気はします。しかし、国家間の軋轢によって生まれる負や憎悪の歴史、国内で台頭する様々なイデオロギーの対立等、テロリズムは他人事ではなく、人間に根差した衝突は想像よりも身近なものであると再認識させられます。
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