Football Match Reviews for July

July
UEFA EURO 2016
Italy 2-0 Spain
安定感抜群のイタリア。適材適所の人員配置。ユベントスの守備陣が磐石なのはもちろんのこと、ボールを持ち、前に運んでアクセントとなるジャッケリーニ、中盤のダイナモとして機能するパローロ、前線にどっしりと構えて起点となるペッレ等、絶妙なバランス。攻守の切り替えの速さ、特にスペインの攻撃を封じた守備は素晴らしいの一言。前からのプレスも、引いても、最後までスペインに自由を与えなかった。このイタリアは強い。

UEFA EURO 2016
Poland 1-1 Portugal, 3-5 PSO
セドリックの痛いミスからレヴァンドフスキの一発が決まり、ポーランドが早々に先制。クリスティアーノ・ロナウドをサポートする前線の駒が足りないと感じる最中、サンチェスが目の覚めるようなシュートを叩き込む。その後は動きの少ない展開。守備に重きを置いた両チーム、シュートまで持ち込むことも少ない。勝敗の差は運に 等しい。

UEFA EURO 2016
Germany 1-1 Italy, 6-5 PSO
緻密な攻防戦。攻守の生命線である、イタリアのプレスに対してドイツはしっかりと対応。ボールの受け手と出し手を広く配置、ピッチをワイドに使った攻撃を展開。先制にも成功する。イタリアは押されながらも、執念を感じる戦いぶり。守備で見せる集中力は相変わらず。同点のPKにもつながる。その後は動かず、PK戦に。僅差の勝負はドイツが勝利。穴のなさが際立つ。イタリアはここで敗退するには惜しいチーム。

UEFA EURO 2016
Wales 3-1 Belgium
ナインゴランのミドルシュートでベルギーが先制。アプローチできず、スペースを与えるとこうなる。しかし、先制した後のベルギーの試合運びも拙い。ペースを落とし過ぎ。守備も甘く、同点ゴールを許す。複雑なことはせず、ゴールに直線的に向かうウェールズの攻撃が相手に脅威を与える。後半の立ち上がりはベルギーが反撃。何度も決定機を作り、ペースを取り戻す。そんな中でも、流れをすぐに変えることができるウェールズ。ロブソン=カヌの見事なフェイントからのゴールでベルギーを突き放す。ヴォークスの追加点も実にウェールズらしいシンプルさ。

UEFA EURO 2016
France 5-2 Iceland
密度の濃い立ち上がりから、ジルーの鮮やかな一発。ミドルレンジのパスに対して裏に抜けて叩き込む。CKからポグバも続いて一気に加勢。フランスは多彩なタレントによるバリエーション豊かな攻撃。ボールの出し入れ、3人目やスペースを作る動きも含めて見事なコンビネーション。集中が途切れた状態ではあるが、2得点によってアイスランドも強さを十分に証明。

UEFA EURO 2016
Portugal 2-0 Wales
今までの試合に比べ、ゴールに向かう積極性が見られるポルトガル。ウェールズは引いて守ることも多いが、独力でも突破できるベイルの動きが目立つ。均衡を破ったのはポルトガル。クリスティアーノ・ロナウドのヘディングから先制点が生まれる。強固な壁を切り裂くような、インパクトの強いヘディング。ウェールズは中盤の組み立ても、チャンスメイクも、シュートもベイルが牽引。圧倒的な存在感を見せるが、一人で背負う負担が大きさが明らか。ラムジーの欠場が響いた。

UEFA EURO 2016
Germany 0-2 France
歴史と伝統を持った強豪同士の対戦。流れが頻繁に入れ替わる、緊迫の展開。勝負を決したのは少しの差。シュヴァインシュタイガーとキミッヒのミスが勝敗に直結。強さを見せた大会でもあるが、それと同時に老いと若さからくる青さも見られた。グリーズマンが躍動し、フランスは充実の時。タレントも豊富で、全体的なバランスも抜群。

UEFA EURO 2016
Germany 3-0 Slovakia
ドイツが試合を掌握。前半のほとんどを相手陣内でプレー。前線から素早く、組織的なプレスでボールを奪い、その後は技術の高い選手たちがボールをコントロール。スロバキアが攻め込んでも、ゴール前には統率されたノイアーが立ちはだかる。後半に入ってペースを落としても、ドイツの優位は変わらない。攻守の連動性だけを見ても、チームとしての完成度と成熟度の高さが伝わる。

UEFA EURO 2016
Portugal 1-0 France
ボールを持って攻めるフランス、引いて構えるポルトガル。予想通りの展開。密集した守備網に手を焼くフランス。タメとスペースを作るジルーのポストプレーは大会を通じて効果的。そんな中、クリスティアーノ・ロナウドの負傷退場によって新たな流れが生まれる。試合の主役を退場に追い込み、フランスにとっては余計な荷物と表現できるのか、変なプレッシャーを与えたことは事実。ポルトガルは最強の飛び道具を失うことになったが、明確な目標とより一層の結束をもたらすことに。手を抜いていることはないだろうが、フランスの攻撃から勢いが削がれたような印象。チャンスは作るが、散発的な攻撃が目に付く。後半からはよりオープンな展開に。中盤にスペースが生まれてゴールに迫る場面が何回も生まれ、衝撃的なエデルのゴールにもつながる。流れの妙を感じた試合。

UEFA EURO 2016
England 1-2 Iceland
ラッキーなPKで早々と先制したイングランド。だが、その後は予想もしない展開に。ロングスローやロングボール等、シンプルで直線的、手数を掛けないアイスランドの攻撃が非常に効果的。一気に逆転まで持ち込む。勇猛果敢に立ち向かうアイスランドを前に、イングランドは我を失ってしまったような状況。守備を固めたアイスランドを最後まで崩せず。アイスランドの戦いぶりはレスター・シティを彷彿とさせる。シンプルな戦い方、豊富な運動量、モチベーションが重要だと再認識。

UEFA EURO 2016
Hungary 0-4 Belgium
ハンガリーは前線でボールをつなげず、ベルギーに速攻を何度も食らう。アザールにスペースを与え過ぎ。3人目の動きに対してもカバーが甘い。決め切れないベルギーにも詰めの甘さが見られるが。この試合はアザールの独壇場。高い技術と強いフィジカルでボールを前に運び、ハンガリーの守備陣を何度も突破。ミスらしいミスは皆無。アシストにゴールに、スーパーな内容。

International Friendly Match
Brazil 2-0 Japan
引いて守る日本。個人のドリブルやワンツー等で打開しようとするブラジル。全ての面で力の差を感じさせる試合内容。日本はボールを前線に入れられず、積極的な守備もできず。

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