Football Match Reviews for June

June
UEFA EURO 2016
France 2-1 Romania
層の厚さが際立つフランス。CKからルーマニアに決定機を作られるが、流れはフランスに。どんどんと後方から前線にボールを当て、チャンスを作る。ペイェが攻撃を牽引、迫力を感じる。流れはフランスだが、硬さが見られる。後半に入り、ラッキーな形でフランスが先制。肩の荷が降り、フランスの猛攻が始まるかと思われたが、もったいない形でPKを献上。その後は攻撃陣も停滞。引き分けに終わるかと思われた終盤にペイェのスーパーゴールが炸裂。課題も出て、勢いも生まれた、価値のある勝利。

UEFA EURO 2016
Albania 0-1 Switzerland
両チームともにゴールに向かう姿勢が感じられる、好ゲーム。早い時間帯に退場者を出して不利な状況に追い込まれるが、ベリシャが再三の好守を見せる。序盤のミスは痛かったが、ゲームを作った立役者。結果は順当だが、アルバニアの健闘が光った。

UEFA EURO 2016
Wales 2-1 Slovakia
アレン、ラムジー、ベイルと中盤と前線にしっかりとした核がいるウェールズ。ベイルのFKは正に「飛び道具」、チームにおいて圧倒的な存在感。スロバキアは序盤の決定機を生かせなかったのが痛い。後半はイーブンな戦い。ウェールズの中盤にスペースが生まれ、スロバキアの同点ゴールが生まれる。シーソーゲームの中で、ウェールズがまたしても、前線のクオリティを見せて、スロバキアを突き放す。局面ごとに見せる肉弾戦も見応えがあった。

UEFA EURO 2016
England 1-1 Russia
イングランドの強さが目立つ前半。トッテナムの選手を中心に、他 チームの有力選手で固めた陣容。中盤からのパス出し、縦横無尽のポジションチェンジ、その崩しはロシアを翻弄し続ける。しかし、最後の詰めが甘く、得点を奪えない。後半に入っても、活路を見出せないイングランド。ロシアに際どいチャンスを作られる場面も。重苦しい展開の中、ダイアーの豪快なFKで先制。そのまま勝つかと思われた終盤、ロシアが執念の同点ゴール。イングラントの勝負弱さが如実に出た。

UEFA EURO 2016
Turkey 0-1 Croatia
かなり大味な展開の中、モドリッチが見せた技ありのドライブシュート。縦パスを通す力、ゲームを組み立てる力、推進力も含めて、超一級品。ラキティッチ、マンジュキッチ、ブロゾヴィッチ、ペリシッチが加わる攻撃陣は力強く、運動量も豊富でトルコに自由を与えない。サイドから崩して多くのチャンスを作るが、得点は一点のみ。点差以上に力の差を感じた。

UEFA EURO 2016
Poland 1-0 Northern Ireland
右サイドを中心に深く切り込み、北アイルランドの守備陣を崩そうとするポーランド。好機も作るが、決め切れない。守備に奔走する北アイルランド、出場国の中での実力は一段階下のレベルか。先制点も右サイドから。ブワシュチコフスキとピシュチェクの見事なコンビネーションと突破。

UEFA EURO 2016
England 2-1 Wales
ボールを支配して攻め込むイングランド。引いて構えるウェールズ。イングランドはチャンスを作るが、ウェールズの堅守に苦戦している印象が強い。そんな中でベイルの飛び道具がまたも炸裂。後半からヴァーディとスタリッジが入り、前線に動きと流動性が生まれる。スペースができて攻撃が活性化。同点に追い付いた後は膠着状態に戻ったが、スタリッジの劇的な決勝ゴール。充実の内容。

UEFA EURO 2016
France 2-0 Albania
組み立てからチャンスメークまで、ペイェへの負担が大きいと感じる。後半は配置も変え、ペイェがフリーになる場面も増えた。アルバニアの堅守に苦しみながらも、終盤に突き放す。

UEFA EURO 2016
Germany 2-0 Ukraine
ドイツは攻守に安定感があり、ハイレベル。ウクライナに崩される場面もあったが、最終的には危なげない試合運び。相手を制圧するパス回し、総合力の高さが際立つ。

UEFA EURO 2016
Spain 1-0 Czech Republic
チェコを押し込みながらも、得点を奪えないスペイン。華麗なパス回しは相変わらずだが、以前ほどに相手を圧倒する力はない。徹底的に相手の守備を崩すシーンが少ない。特に前線が物足りない。終盤のゴールが多い大会になっているが、スペインは薄氷の勝利。

UEFA EURO 2016
Ireland 1-1 Sweden
アイルランドのシンプルで直線的な攻撃が目立つ前半。何度もスウェーデンのゴールを脅かす。後半に入ってその動きが先制点に結び付く。無骨で華やかさはないが効果的。反対にスウェーデンは偶発的なクロスかイブラヒモビッチに預けるしかゴールに迫れない。劣勢の中、同点ゴールもやはりイブラヒモビッチ。年齢を感じさせない鋭い突破から、オウンゴールを誘発。さすがの動き。終盤はスウェーデンが優勢。流れの変化が激しい、面白い展開。

UEFA EURO 2016
Germany 0-0 Poland
ボールを保持するドイツ。だが、ポーランドの堅守を前に手詰まりの感が否めない。ポーランドは非常にソリッドな戦い。決定機の数ではドイツを上回る。ドイツの弱体化が著しく、時代の流れを感じる試合。

UEFA EURO 2016
Belgium 0-2 Italy
イタリアの堅守が光る。タレントが集うベルギーの攻撃陣を強固なブロックで完封。手数を掛けないシンプルな攻撃も効果的。ジャッケリーニの先制点も後方からのフィード一発で打開。追加点を生んだカウンターも見事。ベルギーは点と点が線でつながっていないような印象。守備もどこか甘さが見られる。いくつかの決定機を生かせなかったのが痛い。イタリアはベンチも含めて、まとまりを感じる。

UEFA EURO 2016
Switzerland 1-1 Poland, 4-5 PSO
堅実な両チームの対戦。ポーランドの攻撃陣により可能性を感じる。スイスの隙を突いた鋭いカウンター。グロシツキの強引とも言える積極性とブワシュチコフスキの落ち着きが得点を生んだ。後半はポーランドを押し込むスイス。シャキリが流れを一気に引き戻す、超絶なゴール。ポーランドは守りに入るのが早過ぎた。白熱の展開はPK戦で決着。互角の戦い。

UEFA EURO 2016
Wales 1-0 Northern Ireland
泥臭さを感じさせる、大味な試合。意外にも北アイルランドが優勢に試合を進める。ウェールズは北アイルランドの速い寄せによって、ボールをなかなか前に運べない。北アイルランドも健闘はするが、相手の守備を崩すほどの力はない。フィジカルで直線的な流れがずっと続くが、ベイルの鋭いクロスがオウンゴールを誘発。勝つには勝ったが、ウェールズは相手のレベルに付き合ってしまったような印象。

UEFA EURO 2016
Croatia 0-1 Portugal
緊張感のある前半。両チームともに慎重な試合運び。リスクを減らし、中盤から後ろに人数を割くことによって生まれる潰し合い。攻撃も人数を掛けず、クロスやセットプレーが中心。前後半で同じような展開がずっと続く。クリスティアーノ・ロナウドも前線で孤立。延長後半、試合の最終盤に試合が動く。正に「ピンチの後にチャンスあり」、カウンターからカウンターを食らったクロアチア。欲が出たというのは酷。気持ち優勢に進めていて、好チームだっただけに残念な結果。

UEFA EURO 2016
France 2-1 Ireland
因縁のカード。アイルランドが攻勢を仕掛けてPKを奪取。先制に成功。アイルランドにとっては格好の流れ。重心を後ろに置き、カウンターやセットプレーから追加点を狙う。後半は流れが一変。カンテを下げてコマンを入れ、グリーズマンをトップ下に入れたのが奏功。ジルーの裏からグリーズマンが飛び出し、得点を量産。アイルランドは対応できず。後方から選手がどんどんと飛び出す攻撃は迫力満点。

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