Football Match Reviews for January

January
2015/16 Lega Serie A
Milan 0-1 Bologna
試合の大半はミランのペース。サイドで起点を作り、複数の選手が絡んでのクロスから崩そうとする。チャンスは作るが、圧倒するまでには至らず。選手間の距離も遠く、チームとして迫力不足の感は否めない。起点を作っていた本田を途中で下げたことは不可解。悪い選手ではないが、スーパーな選手でもないボナヴェントゥーラがチームの核になっているのがミランの現状を物語っている。有力な選手たちを集められないのは経済のせいでもなく、チームとしてのビジョンの欠如とそこから生まれる継続性のなさ。チームもファンも正当な判断を下す目を失っている気がする。

2015/16 Lega Serie A
Empoli 0-1 Internazionale
インテルは実に堅実な試合運び。技術が確かな選手たちが揃い、攻守に安定感が抜群。前線はタメを作れて、ボールを前に運んでシュートまで持ち込める選手たちがいる。中盤は運動量が豊富で攻守のつなぎ役としてしっかりと役割を果たす。守備陣はミランダを筆頭に本当に粘り強い。今季の好調ぶりも納得できる。

2015/16 Lega Serie A
Roma 1-1 Milan
ピアニッチが放つキック精度の高さ、決定的なラストパスに見られる視野の広さは驚異的。序盤はミランを攻め立てるローマだが、徐々に狙いが曖昧に。途中からはミランにボールと試合を支配される。この試合はミランの攻撃陣がパスをつなぎ、連携が改善されたように感じる。途中出場のボアテングに象徴されるように、パスとスペースを作る動き出しが現在のミランには必要な要素。ミランは勝てた試合だが、前向きな内容。反対にローマは全体的に意図が見えず。

2015/16 Lega Serie A
Internazionale 0-1 Sassuolo
サッスオーロの前線からのプレスに手を焼くインテル。ビルドアップがスムースにできない。その中でもプレスを突破した際は前線の個性が際立ち、チャンスを作るが決め切れない。集中力の高さが伝わる好ゲーム。特に両チームのGKが見せた数々のファインセーブが光る。インテルは攻め込みながらも、最後に集中力が途切れてPKを献上する手痛い敗戦。

AFC U23 Championship 2016
Japan 1-0 Korea DPR
序盤は素早く、積極的にゴールに向かう日本。CKからの先制点につながる。その後は重心を低くし、時間を掛けずにゴールに向かおうとする。後半に入ると中盤にスペースが生まれ、ロングボールで守備陣の攻略を図ろうとする北朝鮮。バイタルエリアでボールを何度もバウンドさせ、危うい場面を何度も作り、作られるが、要所を締めて逃げ切った。中盤で見せる大島の軽率なプレーはリスキー。山中のキック精度の高さが光る。

2015/16 Barclays Premier League
Tottenham 0-1 Leicester
見応えのある攻防。レスター・シティを終始自陣内に押し込むほど、トッテナムの攻撃の仕掛けとボールを奪われた後のチェックが速く、相手に自由を与えない。突出した選手はいないが、スピードも運動量もあって、技術も確かな選手が多い。スペースがあれば、縦横無尽にどんどんと選手が侵入する。レスター・シティもだが、攻守の切り替えが本当に速い。耐えに耐えて、終盤の勝負所でゴールを決めたレスター・シティの勝負強さも物凄い。豊富な運動量をベースとした守備でトッテナムを完封。守るだけでなく、ヴァーディ、マーレズ、岡崎という牙を持つからこそ、この堅守も際立つ。非常にフェアで濃密な戦い。

2015/16 Barclays Premier League
Liverpool 3-3 Arsenal
フィルミーノが素晴らしい活躍。2得点ともに技術の高さを見せた。攻守の切り替えは相変わらず速く、前半はアーセナルの中盤にほとんど自由を与えない。しかし、ディフェンスライン、特にCBが甘く、押し気味に進めながらもアーセナルの追従を許す。後半は疲れからスペースも生まれ、よりオープンな展開に。攻めながらも、要所を締めるアーセナルが逃げ切ると思ったが、終了間際にアレンの同点ゴールが決まった。

AFC U23 Championship 2016
Thailand 0-4 Japan
日本は盤石とは言えないが、手堅い試合運び。攻撃ではゴールに直結する動きが目に付き、守備の陣形を崩さないことを強く意識していることが伝わる。攻め込まれる時間もあり、PKを奪われもするが、要所を締めた。控えの選手を多く起用し、チーム全体のモチベーションを高めつつ、主力選手たちの競争心とコンディションにも目を配る。勝負所はまだ先だが、理想的な流れ。タイの各選手、特に攻撃陣の技術は高く、チームとしての成熟度も高いと感じたが、ゴールに迫る動きが少なく、これでは相手に脅威を与えられない。

2015/16 Barclays Premier League
Aston Villa 1-1 Leicester
アストン・ヴィラは意図の見えない試合運び。レスター・シティと比べると、ゴールに向かう動きに速さと積極性を感じず、ボールを回すだけ。後半に入ってロングボールで相手を押し込み、こぼれ球への対応も改善。前後半で正反対の内容だが、最終的な結果は妥当。ただ、ジェストゥードのゴールは明らかなハンド。それを得点として認めたのはとても残念。また、故障以外で岡崎を交代したのは不可解。前線からの継続したチェイスは相手にとって脅威だったはず。連戦の中、ハードワークをどこまで維持し、得点力を回復できるかがレスター・シティにとってのキー。

AFC U23 Championship 2016
Qatar 4-2 Syria
カタールにはこのレベルで試合の流れを読む力と引き出しの多さを感じた。スピードと強さは日本に比べて強く、これらのチームを相手にどこまで対抗できるかが見所。

AFC U23 Championship 2016
Saudi Arabia 1-2 Japan
一進一退の展開から大島の目が覚めるようなロングシュートで日本が先制。日本のチェイス&チェック、中盤を省略した攻撃は有効。勝利が必要な状況で、サウジアラビアから必死さが感じられなかった。

AFC U23 Championship 2016
Japan 3-0 Iran
ロングボールからディフェンスラインの裏を狙うイラン。日本はサイドから崩そうとする狙いが見えるが、アイデアと強さが足りない。ロングボールや相手の飛び出し等、日本は守備陣の軽いプレーが目立つ。後半は全く攻め手が見えない日本。極端にリスクを減らそうとするのは理解できるが、希望が見えないのも事実。イランの守備陣を前に及び腰。特に中島と矢島の弱さが目立つ。近年ずっと続く、プレッシャーを受けてどうプレーするか、その課題が凝縮されたような試合。最後の最後で相手も疲れてスペースが生まれ、中島と室屋が仕事をしたが、全体の狙いも采配もとても疑問が残る。

AFC U23 Championship 2016
Qatar 2-1 Korea DPR
カタールがPKで先制、足元の技術と動きのしなやかさで北朝鮮を上回る。その後は北朝鮮のロングボールを多用した直線的な攻撃が目立つ展開。終了間際で追い付いたように、粘り強さと勝負を捨てない精神力は素晴らしい。

2015/16 Barclays Premier League
Leicester 3-0 Stoke City
ゴールに向かってロングボールを放り、前線の選手たちが猛然と襲い掛かる。もちろん、全体の運動量も攻守に豊富。ハードワークを苦にしない、レスター・シティの強さが際立った試合。

2015/16 Bundesliga
Mönchengladbach 1-3 Dortmund
攻守の切り替えが速く、運動量が豊富な両チームの対戦。ディフェンスラインが高く設定され、中盤の激しい攻防と裏のスペースの突き合いが見応え十分。流れをそのままに、後方からのスルーパスをロイスがきっちりと決めてドルトムントが先制。2、3点目のカウンターもボールを奪ってから人数も掛けた素晴らしい崩し。トラオレの右からのカットインへの対応に苦労し、点も奪われたが、メンヒェングラートバッハを相手に価値ある勝利。

2015/16 Barclays Premier League
Arsenal 0-1 Chelsea
複数の選手が絡んだ前後でのパスの出し入れとペナルティエリアの角を崩そうとする攻撃が持ち味のアーセナル。メルテザッカーが退場してしまうが、数的不利を感じさせない戦い。チェルシーは反対に随所で守備が甘く、数的有利を感じない。長年の課題ではあるが、ゴールへの積極性が物足りなくも感じるアーセナル。以前に見られた守備の厳しさを見せられないチェルシー。消化不良の感は否めない試合内容。

AFC U23 Championship 2016
Japan 2-1 Iraq
中盤の守備でよくハメている日本。素晴らしいカウンターから先制した後はディフェンスラインもしっかりと対応。ただ、拙いミスも絡んだ失点はいただけない。後半はお互いにじりじりする展開。日本はボールを支配されながらも、リスクを極端に減らそうとする、中盤を省略した戦いを貫く。コンセプトを徹底し、原川の勝ち越しゴールにつなげたことは価値がある。難しい条件の中、ミッションを果たせたことは大きい。室屋は今すぐにA代表でも見てみたくなる、攻守にハイレベルなパフォーマンス。

AFC U23 Championship 2016
Korea Republic 2-3 Japan
日本が韓国を相手に見せた強烈な逆転劇。前線の突破力、球際でのぶつかり合い、厚みのある組織的な攻撃、同年代とは思えないほどの力量差を途中までは感じた。2点を先行され、活路も見出せない絶望的な展開。その流れを途中出場の 浅野の速さが変える。韓国の疲れもあったのか、裏をシンプルに突く攻撃で一気に逆転まで持ち込む。コンセプトを徹底した勝利。アジアの強豪国を中立の場で何度も倒した、この価値はとてつもなく大きい。

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