『プール』には「幸福」の定義を示し、問うような普遍性が感じられ、静かで穏やかな作品の雰囲気が合わさり、とても快い気持ちにさせてくれます。その時々の思いや気持ちを優先して幸せを求めてきた京子、誰しもが求める母親の愛情を近くで感じることができずに「形」や安心を求めるさよ。正解も不正解もなく、その中間でも正解ではないような気がします。ただ、血縁、人種等のあらゆる違いを超えて、「大切に思う気持ち」にこそ幸福は宿るのではないかと感じました。プールの水面のように人の気持ちも移ろいやすく、微妙な間や表情に感情が見え隠れする、それがこのシリーズの大きな魅力だと思います。色使いも空間の作り方も、非常に美しい仕上がりです。
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