鈴置高史の『朝鮮半島201Z年』、歴史と経済が国と国民の姿勢を形成していることが非常に伝わる作品です。フィクションではありますが、地図的な位置や歴史に裏打ちされた各国の立ち位置や国民性の描写にファクトが合わさり、あくまでも可能性として、描かれる過程も結末も起こり得ると感じられるほどの現実感が感じられます。中国の軍事と経済における台頭、中国にペースを握られるアメリカ、大国の間でサヴァイブしてきた朝鮮半島のたくましさ、アメリカの強い影響下にあり、殻に閉じこもろうとする日本、この大まかな構図が分かりやすく描かれています。経済が政治に影響を与え、政治が歴史を生む、大局的に世界を見ることの重要性を再認識させてくれます。
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