結婚生活の難しさ、換言すれば、人間同士が生活を共にすることの難しさを表現したのが『Gone Girl』であり、その手法はとても秀逸です。コメディでもあり、スリラーでもある、表と裏が常に見え隠れするような展開の連続はとても「人間的」に映りました。魅力的なダメ男であるニックも、両親、特に母親のエゴの下で育てられたエイミーも、利己的なマスコミも含めて、エゴの行き着く先を批判しています。デヴィッド・フィンチャーの色使いや空間の作り方、トレント・レズナーとアッティカス・ロスの人間の本能を刺激するような音楽は作品の陰鬱な雰囲気にとてもマッチしており、エイミーを演じたロザムンド・パイクの好演も光ります。
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