百田尚樹の『海賊とよばれた男』は出光興産の創業者、出光佐三を国岡鐡造に置き換え、人生の歩みと出光興産の成長を描いた歴史小説です。「人間尊重」の理念、石油にいち早く注目した先見の明、信義や誇りを貫き通した志の高さ、語り尽くせないほどの物語が他にもあると思いますが、大きな違和感もなく、出光佐三を主として上手に作品として集約されていると感じます。戦争との絡みが少し強引だったり、ストーリーが淡々と進み過ぎる面はありますが、世界における日本の立ち位置を分かりやすく再確認でき、外国から吹き荒れる猛威を次々と乗り越える姿は痛快です。
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