『幽霊人命救助隊』

高野和明の『幽霊人命救助隊』は自殺した幽霊たちが自殺の瀬戸際に追い込まれた人々を救う超常現象の物語、笑いも涙もあり、精神世界との結び付きも感じられる作品です。自殺を望むまでの窮地に立たされた人々、金銭、人間関係、病等、生活する中で発生する多様なトラブルに光を当てて、解決策を見出していきます。社会的弱者から強者が搾取していることも丁寧に描いており、その批判は作品に厚みを与えています。「自分が変わる」のか「環境を変える」のか、生きる上でのバランスや柔軟性の大切さを再認識させられます。

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