薬丸岳の『ハードラック』は殺人放火犯としての罪を着せられた相沢仁の追跡劇、王道の設定とも言え、真相究明の過程は面白いです。ただ、細かい部分で「浅さ」を感じさせる部分が多くあります。例えば、相沢仁が指名手配をされているにも関わらず、頻繁に外出していたり、インターネットや携帯電話等が物語のキーを握っているにも関わらず、警察がそれらに対しての警戒心が薄く感じられる等、現実はもっと厳しく、切迫しているのではと想像してしまいます。あと、相沢仁は殺人放火犯ではありませんが、強盗犯ではあり、犯行に至った経緯に関して不幸な面はありつつも、自身の浅はかさが生んだ面があり、感情移入がなかなかできませんでした。
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