『深夜特急〈第二便〉ペルシャの風』は『深夜特急〈第一便〉黄金宮殿』に続き、カルカッタからテヘランまでの日々を描いています。インドでの特異な体験の数々、特にワーラーナシーでの死体焼場の描写は生死や静と動のコントラストが絶妙で、正に「異文化」を感じられる記述でした。著者自身が旅に慣れ、また、ストレスや疲労も抱え、摩耗し、時には「ヒッピーとは、人から親切を貰って生きていく物乞いなのかもしれない。」等、旅や自身に嫌悪感を感じる自問自答も丁寧に内心を描いている気がします。また、著者がテヘランで『さぶ』をもらった時に感動した理由が気になりました。「若いうちは若者らしく、年をとったら年寄りらしくせよ。」、沢木耕太郎がこの旅で目にする光景や言葉は美しいものばかりとは言えませんが、どれも生への強い力を感じることは間違いない気がします。
コメント
コメントを投稿