『すべてがFになる』

森博嗣の『すべてがFになる』はミステリーへのアプローチが特徴的で面白い作品です。科学や理論はミステリー小説の根幹に求められる要素ですが、『すべてがFになる』は事件そのものとそれを解決するプロセスがさらに数学的、物理的、論理的な感が強いです。登場人物の感情に関する描写がほとんどなく、こんなにも淡々と進むものかと思いますが、1996年の作品とは思えないほど、とても近代的で洗練された雰囲気が感じられます。

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