『Birdman』

『Birdman』は「本質」を問おうとする、劇中の表現の数々にとても力強さを感じました。マイケル・キートンが演じた、リーガン・トムソンは以前にスーパーヒーローであるバードマンを同名の作品で演じて脚光を浴び、その後は作品に恵まれず、バードマンの印象を引きずった落ち目の俳優として世間から見られていました。俳優として成功することとは?幸せな家庭を築くこととは?魅力的な演技とは?世間から名声を得ることとは?自分らしく生きることとは?面白さとは?トムソンの心の声が代弁するように、生きることの矛盾を突き詰めて考えて、他者からの評価を超越した、「自分らしく」生きようとすることの大切さや難しさ、「本当に大事なこと」は何かという問いを突き詰めて描いています。カメラワークや舞台という設定も含めて、観客がトムソン自身だということに気付かされます。人間の本能を刺激する作品です。以前にバットマンを演じた、マイケル・キートンをバードマン役に設定していることも意味があり、とても考えられている深みを感じさせます。

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