Football Match Reviews for March

March
2014/15 Bundesliga
Dortmund 3-0 Schalke
前半は完全にドルトムントのペース。ボールを奪われた後の寄せが速く、ディフェンスラインの裏を突く香川の巧みなパスと、オーバメヤンとロイスの縦へのスピードで何度もゴールに迫るが、ゴールだけが奪えない。シャルケを圧倒するが、流れは悪い。後半も変わらず、ドルトムントがシャルケのゴールに迫り続ける。先制してからは、シャルケの集中も切れて、最終的には3得点。攻守にほぼ完璧な内容。勢いも感じる。

2014/15 UEFA Champions League
Real Madrid 3-4 Schalke
メンバーを落としたレアル・マドリードに対して、シャルケはカウンターを中心に、前線でもボールを丁寧につなぎ、得点の匂いを感じさせる。シャルケの先制後はお互いに得点を奪い合う、刺激的な展開。息の根を止めるようなクリスティアーノ・ロナウドの2得点にも集中力を切らさず、ゴールを目指し続ける姿勢にレアル・マドリードは圧倒された。

2014/15 UEFA Champions League
Chelsea 2-2 PSG
イブラヒモビッチの退場が試合の分岐点。一進一退の展開から、優位に立ったチェルシーは心理戦に持ち込む。だが、パリ・サンジェルマンは数的不利を感じさせないほど、しっかりと守って攻め切り、チェルシーを相手に互角の試合運び。終盤に先制を許すが、ルイスの目の覚めるような一撃。延長に入ってもPKで突き放されるが、シウバの執念を感じさせる、劇的な同点弾。数的優位に立ち、PKも含めて、他の判定でも助けられた感のあるチェルシー。その中で、相手を挑発するような場面も多く、集中し切れていなかったような印象を受ける。反対に、パリ・サンジェルマンは窮地に立ちながらも、集中した戦いを披露。各選手がボールを前に運ぶことができ、数的不利を感じさせない。このままでは終わらないと感じていたが、正に「流れ」を感じた試合。

2014/15 UEFA Champions League
Bayern 7-0 Shakhtar Donetsk
序盤のシャフタール・ドネツクの退場が試合の流れを決めた。試合全体を考えると、PKに止まらず、レッドカードは厳し過ぎるように感じる。その後はバイエルンの独壇場。ほぼシャフタール・ドネツク陣内のみでプレーを完結させる。アラバとラフィーニャの両サイドバックが高い位置まで上がり、つなぎの役割を担ったり、そのまま駆け上がってクロスを上げたり。追い越す選手も次々と現れる。サイドを起点として、中→外→中の動きを徹底し、フリーな選手を意図的に作り出している。ボールを奪われた後のプレスも速い。

2015 MEIJI YASUDA J1 League 1st Stage
Kawasaki Frontale 2-2 Vissel Kobe
川崎は後方からボールをつなぎ、大島と中村を経由する中盤で神戸の猛烈なプレッシャーに手を焼く。ボールを奪われ、カウンターを食らう場面が多く、失点にもつながる。ペドロ・ジュニオール、森岡、渡邉がカウンターで見せるコンビネーションは見事。特に森岡の落ち着き払った動きは抜群のセンスを感じさせる。反対に中盤を省略した川崎の攻撃には対応できず、後半は猛攻を受ける。際どい判定もあり、慌ただしくも、面白い展開。川崎はレナト、大久保、中村の存在感の大きさを実感。

2014/15 Bundesliga
Dortmund 0-0 Köln
ドルトムントは中央を固めたケルンの守備を崩せず、チャンスをほとんど作れず。攻撃時の運動量も足りない。

2014/15 Bundesliga
Augsburg 0-2 Mainz
ボールが落ち着かない、慌ただしい展開。お互いに中盤でボールを失い、カウンターを食らうをことが多い。先制後、マインツは重心を後ろにずらし、アウクスブルクがボールを持たされる。長い時間、攻撃にさらされながらも、マインツは粘り強く戦った。

2014/15 Barclays Premier League
Chelsea 1-1 Southampton
前半は攻守にサウサンプトンの動きに勢いを感じる。反対にチェルシーは動きが重く、質も量も圧倒される展開。先制はするが、多くのチャンスを作られる。後半はゲームも落ち着き、チェルシーがペースを握る。再三の決定機も、フォースターが立ちはだかる。押し込まれる展開が続いたが、サウサンプトンの統率された守備が光る。

2014/15 UEFA Champions League
Monaco 0-2 Arsenal
モナコのプレッシャーに浮き足立つアーセナル。地力に勝るアーセナルが徐々に試合をコントロール。サイドを起点として、ゴールに迫るが、中央の守備をなかなか崩せない。もどかしい展開の中、前線でボールを奪い、ジルーが粘り強く、ゴールに押し込む。後半も同じような流れ。ラムジーのゴールであと一歩まで追い込むが、最終的にはモナコに逃げ切られる。最後までモナコの守備に手を焼いた。

2014/15 UEFA Champions League
Dortmund 0-3 Juventus
ユベントスに「無力化」されたドルトムント。反対にユベントスは理想的な試合運び。テベスの目の覚めるような一撃から、中央の守備を固めつつ、テベスとモラタの2トップだけで完結できる攻撃は見事の一言。ただ、ユベントスの進め方も素晴らしいが、それ以上にドルトムントは守備ブロックの外でパスをつなぐだけで、何もさせてもらえなかったに等しい。前線にボールを当てる勇気もなく、プレッシャーも勢いを感じさせない。ドルトムントの印象が全く残らない試合。

2014/15 UEFA Champions League
Barcelona 1-0 Man. City
正にメッシの独壇場。メッシのドリブルとパスが冴え渡る。数人の相手選手を引き寄せて、空いたスペースに進入。チームとしても運動量が豊富で、動きが連動している。スアレスとネイマールが絡むカウンターは迫力十分。ハートが耐えて、1点に止まったが、点差以上の実力差。マンチェスター・シティも十分に強いが、このレベルまでくると、穴が見えてくる。安定はしているが、前線のアイデアが不足気味。

2014/15 Bundesliga
Hannover 2-3 Dortmund
ドルトムントは得点の場面以外は悪循環がとにかく目立つ。積極性が失せ、縦への意識がほとんど見られない。縦パス→前線への推進→失った場合のプレスと、全く見られない。中途半端に前掛かりになるため、中盤にスペースを空け、ハノーファーのカウンターも食らう。香川に至っては存在自体を感じない。後半に入り、ビッテンコートが退場し、流れが変わる。スペースが生まれ、縦への推進力が増したドルトムント。詰めの甘さは残すが、香川も含めて、見違えるような動き。ハノーファーは押し気味だっただけに、退場が悔やまれる。

2015 MEIJI YASUDA J1 League 1st Stage
Montedio Yamagata 1-0 Kawasaki Frontale
山形は攻守の切り替えが速く、前線からプレスも含めて、高く設定された守備ラインも統率されている。川崎は前線と中盤の間にスペースがあり、意図的なのか、そうではないのか、中村からのパスが入り、前線にお任せのような状態。スペースを活用され、山形に食らう場面も多い。妥当な結果、前線での川西の技術に裏打ちされた、ボールキープ力によるタメが光る。

2014 FIFA World Cup Brazil
Germany 2-1 Algeria
ポゼッションで攻めるドイツを相手に、アルジェリアの戦い方が見事。基本はカウンター、ボールを奪った後は裏のスペースも含めて、前線のスリマニにボールを当てて、両サイドも一気に駆け上がる。ドイツが後ろ向きになっている時、ディフェンスラインでボールがイーブンな時、ディフェンスラインと中盤の距離が空いている時等、一気にプレスで追い込み、フィニッシュに持ち込む。それ以外の場面では守備ブロックを作り、人数を掛けて、常に数的優位を作る。後半に入り、相手のプレッシャーにも慣れ、疲労もあってか、スペースも生まれ、ドイツがボールをつなぎ、シュートの機会を作り始める。最終的には延長戦まで入ったが、両チームともに勝利を目指した、白熱の戦い。実力差を戦略で埋めた試合。ドイツを苦しめた、アルジェリアのカウンター、アルジェリアの前に立ちはだかった、ノイアーのスキル。

2014/15 Liga BBVA
Barcelona 2-1 Real Madrid
レアル・マドリードがボールを動かし、優位に試合を進める中、CKからマテューのゴールでバルセロナが先制。同点としたレアル・マドリードの前線のコンビネーションもさすが、ワンタッチの連続は技術の高い証。バルセロナはディフェンスラインと前線が間延びしたような状態。レアル・マドリードが押し気味の中、後方からのロングボールにスアレスが一閃。「バルセロナらしくない」が、試合を通じて、中盤を省略する場面が多く、進化の形でもある。全体的に見れば、互角の展開。

KIRIN CHALLENGE CUP 2015
Japan 2-0 Tunisia
ハリルホジッチの初戦。手数を掛けず、縦への意識を感じる試合。攻守の切り替えの速さも含めて、アギーレの時代と目指す大まかな方向性は似ているように感じる。フィニッシュの精度の低さは責任を負うことを避ける、日本人の特性が露見。

UEFA EURO 2016 European Qualifiers
England 4-0 Lithuania
力の差は歴然。イングランドがリトアニアを圧倒したが、個性が見出しにくい内容。強豪を相手にした場合、戦い方をどこまで工夫できるか。スターリングはフィニッシュも組み立ても、鋭い動きを何度も見せた。途中出場のケインも同様、攻撃の軸になれるような動きを披露。

JAL CHALLENGE CUP 2015
Japan 5-1 Uzbekistan
青山の素晴らしいロングシュートで先制。よくコントロールされた、技術の高いシュート。日本は手数を掛けず、ディフェンスラインの裏に飛び出す意識が見られる。その後はウズベキスタンにセットプレー等から決定機も作られ、盤石とは言えない試合運び。攻撃面は結果を出したが、守備は球際も寄せも甘い。青山はゴールも含めて、効果的な数々の縦パスとリズム作り、宇佐美は攻撃のアクセントとして評価を上げた。

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