村上春樹の新作、『女のいない男たち』は著者が表現する独自のカラーでもある「あきらめ」、「奇妙」、「孤独」、「不条理」等の要素を「女のいない男」という設定を通じて描いた短編集です。それぞれの物語の内容は読みやすく、とてもシンプルで、村上春樹の作品として変わらない魅力があります。ただ、「女がいない」ことによって、様々な男たちが良い意味でも悪い意味でも苦しみ、翻弄される姿に根源的な重みや深みを改めて、実感しました。特に『木野』が持つ作品としての単純な面白味、読者を引き込む力にスケールを感じ、長編小説として成立し得る可能性を感じました。
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