米澤穂信の『ボトルネック』にぐいぐいと引き込まれ、読み進める手が止まりませんでした。描写される爽やかな金沢の風景や軽快な文体とは裏腹に、ペシミズム、悪意、諦観、嫉妬、不気味さ等の要素が際立ちます。独特の後味の悪さに鳥肌が立ちました。非現実の世界は「仮定」であり、リョウは起こるショッキングな出来事の数々を真に受ける必要はないとも思いますが、描かれる必然性として、それが一種の「現実」でもあると考えると、作品の救いのなさを実感します。「行動」すること、想像力、前向きに物事を捉える重要性等を改めて感じます。
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