杉山茂樹の『日本サッカー偏差値52』はサポーター、メディア、監督、選手等、日本のサッカー界を形成する様々な要素を取り上げ、世界の中での位置を示した作品です。とても分かりやすく、多くの点は非常に納得させられます。しかし、「偏差値」という言葉を使うのであれば、著者の独断と偏見ではなく、ワールドカップでの出場回数や優勝回数、各連盟のランキングやそれに応じた各国のリーグに所属する国別の選手数、各国のサッカーの歴史等、客観的なデータを元にした結果も見てみたかったです。後半部分に各要素の詳細な説明があり、ほとんどが的を射ています。ただ、日本以外が全て正しく、現状の日本のサッカー文化を全て否定する必要もないと感じます。批判的な論評が目立ちますが、改善に向かう具体的な考えが少しでも盛り込まれていれば、内容の厚みが増したようにも思います。
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