『アンダーグラウンド』

1995年に起こった地下鉄サリン事件の被害者へのインタビューが集められた、村上春樹の『アンダーグラウンド』はとにかく「淡々としている」と感じました。62人の被害者が語る事件当日の様子やその後の気持ちはとても濃密で強烈な印象を受けました。マスコミを通じて伝わる情報は事件の「大きい部分」を捉えたものだったと思いますが、この作品はどこまでも「現実」を描いています。あまり語られることのない、貴重で重みのある作品です。

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