『Indochine』

『Indochine』は恋愛を中心とした作品ではありますが、恋愛映画の枠を超えた壮大さが魅力です。1930年代のフランス領インドシナの空気感や反植民地勢力が台頭する様子等が細かく、描かれています。ドュブリーは「融和」、カミーユは「独立」、ジャン=バティストは「変化」と各主人公は皆、作品において「象徴的」です。波瀾万丈のストーリーですが、テーマがとてもシンプルで感情移入がしやすいです。最後にドュブリーが両足の靴を脱ぎ、水辺に佇むシーンは「フランスも現地も関係ない」という思いをストレートに描いているように感じました。軸は「融和」や「親現地」にありますが、描き方が随所でフランス目線な面が気になりましたが、エネルギーや思慮に満ち溢れた良作です。

コメント