『若い読者のための短編小説案内』は村上春樹の作品の中で初めて読んだ「解説書」です。紹介される6人の著名な作家、吉行淳之介、小島信夫、安岡章太郎、庄野潤三、丸谷才一、長谷川四郎のどの作品も読んだことがありませんでしたが、著者の解説が思慮深く、興味を掻き立てられました。単純に「分かりやすい」とは言えませんが、時として注意深く、時としてオープンに柔軟な姿勢で相対している印象で、各作品の良さを引き出しています。また、村上春樹の解説は自身の作品にも通底している感があり、著者に対する見方も若干ではありますが、変わりました。新たな文学に触れることができ、読者の視野を広げてくれるような作品です。
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