『風の歌を聴け』


村上春樹の『風の歌を聴け』は淡々と進むストーリーとドライな雰囲気が印象深い作品です。僕や鼠の言葉の独特な言い回しや会話が物語の味を引き立たせます。村上春樹の初めての作品ということもあり、全体的な構成や流れが粗削りな感があります。「昔ね、あるところにとても人の良い山羊がいたんだ」や「優れた知性とは二つの対立する概念を同時に抱きながら、その機能を充分に発揮していくことができる、そういったものである」等、印象に残る台詞が数多く見られます。

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