『友よ、また逢おう』


村上龍と坂本龍一のFAXを通じた往復書簡が収められた『友よ、また逢おう』は両者のストレートな思いが伝わる作品です。強烈な「世界」への意識、「外」から見える日本の矛盾点、両者が思い描く人間として有り様が随所に表現されていて興味深いです。思いを言葉にするプロセスが活字から伝わり、熱を感じます。特に坂本龍一の表現力や文章力の豊かさを改めて感じました。「一つの部屋に二人の人間を入れるだけで映画が始まる」(ジャン=リュック・ゴダール)、「不自由で何かにこだわってなければ何も作れない。逆に自由な人間は何かを創作する必要なんかないだろう。」、「僕にはモデルが存在しない。だって、自分がありあまってるから。」、「ぼくは、自分の感情に対して厳密でありたい。」(坂本龍一)等、価値観を刺激する言葉で溢れています。

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