Football Match Reviews for January

January
The 90th Emperor's Cup
Kashima Antlers 2-1 Shimizu S-Pulse
鹿島の連続した忠実なプレッシャーによって清水はボールキープがままならない。前半から圧倒的に鹿島のペースで試合が進む。後半から中盤にスペースが生まれ、清水が徐々に反撃。本田のロングパスからのヨンセンのループシュートは見事。しかし、本山の投入で鹿島に流れが戻り、野沢の見事なFKで突き放す。鹿島の前線からの追い込み、複数の選手が囲い込むプレッシャーが印象的。小野のボールキープ力と技術の高さも光った。

2010 FIFA World Cup South Africa
Paraguay 0-0 Japan, 5-3 PSO
膠着した展開が終始続くが、パラグアイが試合を若干、優勢に進めた。シュートを打たれた場面も多かったが、フリーで打たせない日本の粘り強いディフェンスが素晴らしい。最終的な結果は妥当。

AFC Asian Cup Qatar 2011
Japan 1-1 Jordan
格上のチームが格下のチーム相手に苦しむ典型的な試合展開。少ないチャンスを生かしたヨルダンの先制点が試合の大勢を決めた。日本はボールキープで圧倒するが、ヨルダンに持たされている印象が強い。ペナルティエリア付近でもゴールから遠ざけられ、決定的な場面をなかなか作り出せない。3人目の動きや攻撃の連動した動きが全く見られない。しかし、久々の試合でもあり、悲観する内容でもない。ゴールに直結する動きが得意な香川をトップ下に、ボールキープと切り込んでのシュートで脅威を与える本田を右サイドに置く布陣がベストと考えられる。

2010 FIFA World Cup South Africa
Spain 1-0 Portugal
積極的にシュートを放ち、スペインが序盤から優位に試合を進める。クリスティアーノ・ロナウドはゴールに直結しないドリブルが目立ち、空回り気味。先制点を生んだスペインのパス回しは見事。他の場面でもそのパス回しを見ているとサッカーが簡単なスポーツに思えてくる。

2010/11 Barclays Premier League
Liverpool 2-1 Bolton
リヴァプールは前半から攻撃が散発的。ラウル・メイレレス等、新加入の選手も攻撃に厚みを加えていない。ケヴィン・デイヴィスのヘディングでボルトンが先制するが、ジェラードが交代で入った後のリヴァプールも盛り返す。ジェラードとフェルナンド・トーレスの見事なコンビネーションから同点ゴールが生まれ、連続してボルトンのゴールに迫る。シンプルで無駄を省いた攻撃が続き、終了間際に逆転。後半は強かった時のリヴァプールを思い起こさせる。

AFC Asian Cup Qatar 2011
Syria 1-2 Japan
前半は日本が主導権を握る。決して速くはないが、落ち着いたパス回しにシリアが苦戦。前半のゴールは現在の日本の攻撃陣の特長が凝縮されたゴール。本田のボディバランスと前への推進力、香川の俊敏性とシュートに持ち込む型、松井のテクニックと献身的な動き、長谷部の安定感のある落ち着いた動き等。前田のシュート精度がこの試合は悔やまれる。最終的には日本が勝利するが、2本のPKが与えられた経緯等、混沌とした「アジアらしい」試合展開。

AFC Asian Cup Qatar 2011
Korea Republic 2-1 Bahrain
韓国の各選手の能力の高さが目立った試合。特に朴智星の目立たないが、プレーするエリアの広さと落ち着きを与える安定感抜群のプレーは見事。ミスを全くしない印象。奇誠庸の中盤でのパス出しと鋭いプレースキック、右サイドバックの車ドゥリのフィジカルの強さと圧倒的な運動量も目を引いた。

AFC Asian Cup Qatar 2011
Japan 3-2 Qatar
カタールが常に先手を奪う展開で試合を進めるが、全体的に日本のスムースで落ち着いたパス回しがカタールを翻弄した印象が強い。守備は若干、不安定だが攻撃陣の構成バランスの素晴らしさが改めて感じられる。遠藤と本田がそれぞれ後方と前方で攻撃の起点となり、岡崎や香川がその周囲を動き回って前線に飛び出す。長谷部の総合力の高さも目を引く。カタールは後半に日本を突き放してから浮き足立った印象。しかし、日本は焦らず、終始落ち着いて試合を進めた逞しさが印象的。

AFC Asian Cup Qatar 2011
Iran 0-1 Korea Republic
韓国が前半から優勢。韓国の厳しいプレッシャーにイランはボールをキープさせてもらえない。球際が本当に激しい。後半の中盤から徐々にイランも盛り返すが、決め手を欠く。膠着した試合は尹ビッガラムの見事なゴールで決着。

AFC Asian Cup Qatar 2011
Japan 2-2 Korea Republic, 3-0 PSO
PKで先制されるが、前半は日本のペース。中盤と前線のパスの出し入れが非常にスムース。有効な縦パスが入り、サイドも絡めて決定機を何度も作る。香川と本田のキープ力が大きい。後半に入って韓国も徐々に盛り返す。全体的に押し上がり、ゴールに迫る回数が増えてくる。延長に入り、日本は細貝のゴールでリードを奪うが、韓国も食い下がる。正に「死闘」。日本はPK戦で勝利。ワールドカップのパラグアイとのPK戦で得た経験が生きた。ワールドカップ後の岡崎の成長が著しい。攻撃では効果的な飛び出しでゴールに何度も迫り、守備でも前線からのプレスがチームを助ける。内田はロングボールに頼る傾向が強く、状況判断に改善の余地がある。

AFC Asian Cup Qatar 2011
Australia 0-1 Japan
前半からオーストラリアのロングボールが日本を押し込む。前線からのオーストラリアの厳しいプレスに日本は苦戦。中盤から前線に効果的なパスが入らない。日本は香川がいない中、遠藤、長友、本田を中心に攻撃を展開。特に長友のオーバーラップからのクロスが何度も決定機を作る。オーストラリアのペースで試合が進むが、岩政の投入で日本のディフェンスラインが安定。川島が土壇場で何度も見せたセーブも見事。延長に入り、両チームに疲れが見える中、李の素晴らしいボレーシュートが決まる。オーストラリアも最後まで攻め込むが、日本も最後は割らせない、粘り強いディフェンスで対抗。勝利をつかむ。

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