『予知夢』

東野圭吾の『予知夢』に収められた各ストーリーの起承転結でいう「起」の部分に魅了されます。日常では決して起こり得ない怪奇現象を描き、読者の目を離しません。その怪奇現象を丁寧に細かく、科学という視点を用いて解明していく過程が面白く、「結」の部分では驚きよりも納得が読者の間で生まれているはずです。湯川の飄々とした立ち居振る舞いも軽快で作品に爽やかさを与えています。