『MUNDIAL2002 世界標準を越えて―フィジカル・インテンシティIV』


『フィジカル・インテンシティ』シリーズの第四弾、『MUNDIAL2002 世界標準を越えて―フィジカル・インテンシティIV』も以前の作品と同様に、村上龍の的を射た指摘が読んでいて相変わらず面白く、感心させられてしまいます。タイトルにも「MUNDIAL」(世界の)という言葉が冠されているように、著者が扱う重要なテーマは過去も現在も常に「世界」であり続けてきました。主にサッカーを通して、文中では様々な「世界標準」が描かれます。目の前で語られるエピソードに驚き、「日本標準」の異質性が語られる中で、劇的な変化が起こらない限り、「日本標準」に変化は訪れないと改めて、強く感じました。元日本代表監督のフィリップ・トルシエのインタビューで語られる言葉を懐かしく思いつつ、日本サッカーが帯びていた熱を感じます。

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