『アウェーで戦うために―フィジカル・インテンシティ III』

『アウェーで戦うために―フィジカル・インテンシティ III』はサッカーをテーマとして綴る、『フィジカル・インテンシティ』シリーズの第三弾です。文中では中田英寿のASローマへの移籍から活躍、そして、2000年のシドニーオリンピックでのサッカー日本代表の奮闘が描かれます。村上龍が語るサッカーの解説はとても簡潔です。内容としては難しくなく、シンプルにスポーツとしてのサッカーを捉えていて、その中で日本と「日本の外」を区別してい点が面白いです。現在の日本サッカー界のキーワードである「走る」という言葉が文中で頻繁に使われています。改めて感じるのは、「走る」という言葉がサッカーにおいて使用される時、それは当たり前の行いであるということです。前日本代表監督のイビチャ・オシムが「走る」というテーマを掲げた時に盛り上がった日本サッカー界に改めて、世界と比較した際の後進性を感じてしまいます。