『無趣味のすすめ』


『無趣味のすすめ』は村上龍が以前から説いていた日本人の「趣味的行動」に対する考え方を集約したものです。以前から村上龍が説明されていたように、「趣味」にはリスクが伴わない分、成功した際や何かを達成した時の喜びも限られています。だからこそ、「趣味」であっても、情熱を持って「仕事」に昇華できる「趣味」を見つける必要があるということを説明されています。職を選ぶ際に普遍的に語られる「好きなことや、やっていて楽しいこと」を仕事にするという言葉は、真理を語っているようで、曖昧な面があると気付きました。「好き」や「楽しい」という表現は間違っていませんが、「やりがい」という言葉が的確に示していると感じます。そして、著者が説明する言葉で印象に残ったのは「もっともやっかいで、もっともむずかしく、もっとも面倒な選択肢が正解だ」という言葉です。

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